2026年時点でも、賃金請求権の消滅時効は法律上5年とされつつ、経過措置として当分の間3年とされています。残業代請求も実務上は「最大3年分」を前提に考えるのが安全です。
2020年4月の労働基準法改正で、賃金請求権の消滅時効は5年に延長されました。ただし企業実務への影響を考慮し、当分の間は3年とする経過措置が置かれています。2025年以降、5年への完全移行に関する議論はありますが、2026年6月時点で「いつから一律5年に完全移行する」とする確定スケジュールは確認できません。
| 勘違い | 現実 | 対処 |
|---|---|---|
| 5年になるまで待てば多く取れる | すでに時効で消えた分が復活するとは限らない | 今すぐ証拠保存・催告を検討 |
| 退職後にゆっくり請求すればよい | 毎月の給料日ごとに古い分から消える | 対象期間をすぐ洗い出す |
| 固定残業代込みだから請求不可 | 設定時間超過分や制度不備は請求余地あり | 給与明細と雇用契約書を確認 |
| 口頭請求で時効は止まる | 証拠が残らないと弱い | 内容証明で催告する |
会社に対して未払い残業代の支払いを請求する「催告」を行うと、民法上、時効の完成が6か月猶予される場合があります。実務では内容証明郵便で請求し、その6か月の間に労働審判・訴訟・交渉など次の手続きへ進むのが定石です。
残業代請求では、時効が進むほど取り戻せる金額が減ります。まずは毎月の給与明細、勤怠、シフト、業務指示、PCログ、交通系IC履歴などを集めて、月ごとの未払い額を概算してください。
- 証拠を退職前にバックアップする。
- 会社貸与PCや社内チャットだけに証拠を残さない。
- 請求前に、内容証明・労基署・弁護士相談の順番を検討する。
- 「退職後に考える」ではなく、在職中から証拠を確保する。
金額が大きい、会社が否定しそう、管理職扱いや固定残業代が絡む場合は、早めに専門家へ相談する方が安全です。