フェーズ1 — 退職当日〜翌日
忘れずに受け取るもの・確認すること
退職証明書を受け取る
転職先・失業給付の申請に必要。会社には交付義務がある(労基法第22条)。
離職票(1・2)の交付を確認
雇用保険の失業給付申請に必須。退職から10日以内に会社がハローワークに提出し郵送される。届かない場合は会社に催促する。
源泉徴収票を受け取る
当年の確定申告・転職先の年末調整に必要。退職後1ヶ月以内に会社が交付する義務がある。
健康保険証を会社に返却する
退職日翌日から使用不可。保険証のコピーを手元に残しておくこと。
会社の備品(PC・スマホ等)を返却する
返却リストを作成し、受領書をもらう。後のトラブル防止に有効。
フェーズ2 — 退職後14日以内
健康保険・年金の切り替え(期限厳守)
健康保険の切り替えを選択・手続き
①国民健康保険(市区町村の窓口)または②任意継続健保(2年間・保険料は全額自己負担)または③家族の扶養。退職後14日以内に手続きが必要(期限超過でも遡及加入可だが空白期間が生じる)。
国民年金への切り替え(会社員第1号被保険者)
厚生年金から国民年金に変更。市区町村の年金窓口または日本年金機構に手続き。傷病手当金受給中や失業給付受給中は保険料の猶予・免除申請が可能。
ハローワークに離職票を持参して求職登録
失業給付を受給する場合は退職後すぐに手続き。自己都合退職は2〜3ヶ月の給付制限あり(ハラスメント等の「特定理由」なら制限なし)。
フェーズ3 — 退職後1ヶ月以内
各種届出・申請
傷病手当金の申請(うつ・体調不良で退職した場合)
在職中に受給開始していれば退職後も継続可能。医師・会社の証明欄を記入した申請書を協会けんぽ等に提出。毎月申請が必要。
未払い残業代・退職金の請求確認
退職後でも3年分の未払い残業代を請求可能。退職金規程がある会社では所定の手続きを経て支払われるはず。未払いの場合は内容証明郵便で請求する。
住所変更がある場合は住民票の異動手続き
転居した場合は市区町村の窓口で転出・転入届の手続き。国民健康保険・国民年金・選挙人名簿の更新にも影響する。
失業認定日にハローワークへ出頭
求職登録後、指定された認定日に出頭し求職活動の実績を報告することで給付金が支給される。
フェーズ4 — 退職後数ヶ月〜年内
税金・住民税・年金免除など
住民税の納付(普通徴収に切り替え)
退職後は会社による特別徴収(給与天引き)がなくなり、自分で納付する「普通徴収」に切り替わる。市区町村から納付書が届くので、期限までに納付する(分割4回)。
国民年金保険料の免除・猶予申請
失業・退職を理由とした「特例免除」制度あり。収入が著しく低い場合は全額・半額・一部免除が可能。年金事務所または市区町村窓口で申請。
国民健康保険料の減免申請
失業等を理由とした保険料軽減制度あり(前年所得の30/100で計算する特例など)。市区町村の窓口で確認する。
転職先が決まったら社会保険の再加入手続き
新しい会社に入社した際に会社が手続きをするが、空白期間の国保保険料の精算も必要。
生命保険・損害保険の契約者変更(会社経由の場合)
会社経由(グループ保険等)で加入している保険は退職で失効する可能性がある。保険会社に確認し個人契約への切り替えを検討する。
フェーズ5 — 翌年2〜3月
確定申告(還付を受けられる可能性あり)
源泉徴収票・各種控除証明書を集める
退職した会社の源泉徴収票・医療費の領収書・生命保険料控除証明書・ふるさと納税の受領書等を揃える。
確定申告書を作成・提出
国税庁の「確定申告書等作成コーナー(e-Tax)」を使えばオンラインで完結。2月16日〜3月15日が申告期間(還付申告は1月から可能)。
iDeCo・NISA等の手続き確認
退職後はiDeCoの運用指図者・加入者変更手続きが必要。転職先で再加入もできる。NISAは口座を継続保有できる。
退職所得の確定申告確認
退職金を受け取った場合、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば申告不要の場合が多い。未提出の場合は要確認。
翌年の住民税の納付方法確認(普通徴収継続または転職先で特別徴収)
転職先が決まっている場合、会社に特別徴収への切り替えを依頼するかどうか確認する。
ねんきんネットで年金記録を確認
空白期間や未納期間がないか確認。加入記録の間違いがある場合は年金事務所で訂正申請できる。
iDeCoの拠出再開または移管手続き
転職先が確定したら掛金拠出を再開する。転職先が企業型DCを導入している場合は移管の検討も。
| 種類 | 保険料 | 期間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 前年所得に基づく(市区町村により異なる) 失業・低所得なら減免申請で安くなる可能性 | 転職・再就職まで | 前年所得が低い・すぐに再就職予定がある |
| 任意継続健保 | 在職時の保険料の約2倍(上限あり) 最大2年間加入可能 | 最長2年間 | 前年所得が高く国保より安くなる場合・付加給付が手厚い健保 |
| 家族の扶養に入る | 保険料0円 | 扶養要件を満たす間 | 配偶者・親が会社員で年収が130万円未満の見込みの場合 |
雇用形態別の受給要件と受給開始までの期間
| 雇用形態 | 受給要件 | 給付制限 | 受給開始まで |
|---|---|---|---|
| 正社員(特定受給・特定理由) ハラスメント・体調不良・賃金未払い等 | 離職前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間 | なし | 申請7日待機最短8日後 |
| 正社員(通常の自己都合) | 離職前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間 | 2ヶ月 | 申請7日+2ヶ月約67日後 |
| 派遣・契約社員 雇い止め・契約満了 | 離職前1年間に6ヶ月以上(雇い止めの場合) | なし | 申請7日待機最短8日後 |
| パート・アルバイト | 週20時間以上・31日以上の雇用見込みで加入が前提 | 退職理由による | 特定理由なら給付制限なし |
雇用保険期間中にできること・できないこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アルバイト(週20時間未満) | ハローワークへの申告が条件。申告すれば収入に応じて給付額が調整される(収入分が差し引かれる日数分の受給が翌月以降に繰り越される) |
| アルバイト(週20時間以上) | 就職とみなされ給付が停止。再就職手当の対象になる場合もある |
| 職業訓練校の受講 | 公共職業訓練(ハロートレーニング)受講中は給付期間を延長可能。受講料無料・給付金も継続受給できる |
| 海外旅行・引越し | 「求職活動ができない状態」でなければ可能。認定日には必ず出席が必要 |
| 無申告での就労 | 不正受給として全額返還+罰則(3倍返し)の対象になる |
無料で受講できる職業訓練(ハロートレーニング)
雇用保険受給中に受講できる公的な職業訓練です。受講料は原則無料で、給付金を受けながらスキルアップができます。
- 公共職業訓練:ポリテクセンター・職業能力開発校で実施。IT・介護・建設・製造など多様なコース
- 求職者支援訓練:雇用保険がない・受給終了後の方でも月10万円の訓練給付金を受けながら受講可能
- 教育訓練給付(在職中でも可):厚労省指定講座の受講費用を20〜70%補助
厚生労働省|ハロートレーニング(離職者訓練)
mhlw.go.jp
コース一覧・受講方法・給付金の詳細。都道府県別の訓練情報も検索できる。
雇用保険期間中の過ごし方——参考サイト
ハローワーク公式|雇用保険の手続きと認定日
hellowork.mhlw.go.jp
認定日・求職活動実績の数え方・アルバイトの申告方法など公式情報。
厚生労働省|キャリア形成・学びなおし支援センター
career.mhlw.go.jp
離職後のスキルアップ・学び直し支援の情報。教育訓練給付・職業訓練の活用法を解説。
マイナビエージェント|失業給付期間中の転職活動のススメ
mynavi-agent.jp
給付期間中の効果的な転職活動スケジュール・求職活動実績の作り方を解説。